自律神経というワードをよく目にするのはなぜ?
最近「自律神経」という言葉をよく目にするようになりました。「自律神経失調症」など、昔は聞いたこともなかった病名でしたが、怖いことに身近になってきたように思います。それだけ現代の社会はストレスが多く自律神経が乱れやすい世の中になったのでしょう。
ところで、自律神経とはいったい何でしょう。
人間の身体には頭の先からつま先まで多くの神経が張り巡らされています。「痛い!」と感じるのも、目が見えるのも全て神経の働きです。そして、はっきりと感じることや認識することができない神経もあります。それが自律神経です。
自律神経には2種類あり、昼間や活動しているときに活発な「交感神経」と、夜間やリラックスしているときに活発になる「副交感神経」があります。
これらは内臓の働きや代謝・体温などの機能をコントロールし、呼吸・心拍など生命維持に必要な機能を調整しています。24時間休みなく働き続けてくれているのです。
自律神経の乱れとはどのようなことでしょうか!
心と身体が活発に働いているときは交感神経、心と身体が休んでいるときは副交感神経です。
このバランスが崩れると身体に支障をきたします。
どんな症状が現れるかというと・・・
めまい・不眠・耳鳴り
吐き気・多汗
全身のだるさ
頭痛・肩こり・手足のしびれ
便秘・下痢を繰り返す
動悸・不整脈
不安感・緊張感など
人によって症状は様々で複数の症状が重なって現れたり、出たり消えたりすることもあります。症状の重さも様々なので、ただのなまけだと言われて傷つく方も多くいらっしゃいます。ご本人も「ちょっと気分が優れないだけかも。調子が悪いだけでそのうち治るだろう。」と様子を見るうちにきっかけをなくし、長い間苦しまれている方が多くいらっしゃいます。
私たちが暮らすこの社会は、人間関係の悩みや仕事による過度な精神的ストレス、昼夜が逆転してしまうような生活スタイル、忙しさのあまりホッとする時間が作れないなど、自律神経が乱れやすい環境が整ってしまっているのが現状です。
では、なぜ鍼灸が自律神経の乱れに効果的なのでしょうか!
鍼灸治療では髪の毛よりも細い鍼を使い、小さなポイントで刺激を入れることができます。自律神経が乱れている方には、刺激にとても敏感な方が多い傾向があります。鍼灸では小さなポイントで、症状に合わせて刺激量を変えたり、刺激を入れる場所を微妙に変えたりして敏感になりすぎている身体に負担をかけないようにします。そのポイントは主に自律神経が集まる場所であったり、呼吸を整える場所だったりします。
自律神経の乱れによる症状は様々ですが、鍼を使うことにより少しチクッと感じたり、ズンと響く感じがありますが、それが身体に「あ!ここが働いていないのだな。働かせなくちゃ!」と気付かせることができるのです。
また、お灸はほんのりと温かくとても気持ちの良いものですが、たまに熱いと感じることがあります。優しく、たまにピリッと熱く感じさせることで血管を刺激し血行を促進します。緊張して固まった筋肉や気持ちをしっかりとほぐしてくれます。
鍼灸治療はゆったりと心地よく、